世の中は嘘と嘘でできている

なんか知ったようなタイトルですね。
前回の日記に書いてるように僕はバイトをしてます。飲食で。


バイト中、一人の60歳ぐらいの男性が食べに来た。
男性は店に入るなり「一人なのですがよろしいでしょうか!!?」とすごいテンションで挨拶。
だがこっちにそのテンションが伝わることはなく。
「あぁ、酔っ払ってるな」的なしらけムードが出来上がった。
だがそれをおくびにも出さず応対。


バイト歴1年の女性がオーダーを取る。
まだ酒を飲もうとする男性に対し「大分よっているようですが大丈夫ですか?」的な話をする。
「私は確かに飲酒しましたが!!だがこれでも冷静さは欠かしておりません!!!銭なら持っています!!どうか私の好きなものを頼ませてください!!!」と裸の一万円札を見せ、ヒートアップ。
もうなんといっても聞きそうにないので言われたとおりに頼まれたものを出す。


全部出し終わった後僕が呼ばれる。
「これが○○か!!!?(ここではりんごの盛り合わせにしとく。)俺が前にここで食べたときはサンふじの盛り合わせはもっとすごかったぞ!!???」


ここで説明。
りんごはあってもサンふじというメニューはない。もしくはなくなった。なのにその男性は前に食べたと言う。
そのメニューはないといってもまったく聞きそうにない。
「俺は半年前にサンふじを食べた!!!あんた店長だろう!!!??あんたがそこの席にいる俺に出してくれた!!!!!」と僕を名指しで指名。
おおぅ。半年前は僕はギリ働いてないぞ。しかも半年前もサンふじはないぞ。


そんなことを言っていたら「お前らは俺を年寄りだと思って馬鹿にしているのか!?!?俺は金を持ってるんだ!!サンふじを出してくれ!!!」と熱くなる男性。
店長もいなかったことだし「こちら側の仕入れの不手際」ということにする。
とにかく謝る。何を言われても「はい、申し訳ありませんでした。こちらの不手際でお客様の期待にこたえられず云々」。
そのうち僕は気に入られた、というかとりあえずクリア、ということで厨房にいたバイト歴4年ぐらいの先輩を呼び出させられる。
その先輩に対して「お前も料理人だろう!!??俺も板前だ!!日本どこに行っても板前だ!!!!お前の出す料理には誇りを持て!!!」と説教。
そこでイラッとした先輩が「ですが、そのメニューはもともと無くって」と暴露。
さらに男性ヒートアップ。
僕は店長と勘違いされてることもあり「さぁ、とにかく謝って」となぜかタメ語で耳打ち。


ちなみにりんごの盛り合わせはもう切ってあるりんごを皿に盛り付けるぐらいの手の加えようの無い料理。
だけどよくわからない説教を男性から受け、男性は怒ったまんま会計。
タバコが落ちていたので(板前がタバコ吸っちゃ味覚が狂うんじゃ…)と思いつつ「お客様、おタバコをお忘れになってます」とあげる。
「そんなもんいらん!!!」と叩き落とされる。
レジでも謝り倒して謝り倒して、叩き落したタバコを拾う男性に(もう来てほしくないな)と思いつつも「改善していきたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします」と謝り倒す。


そして結局
「全国で名の通った板前、ここら辺のヤクザな方々とお知り合い、向かいにある駄菓子屋の店長と仲良し」というよく分からない経歴を持った男性はお帰りになられました。
ちなみに男性が帰った後、「おい店長」などと僕より6年以上バイト歴が長い先輩たちに冷やかされ。


酔っているので嘘と思ってないのかもしれないけど嘘を主張する客とその嘘を分かった上で嘘の言い訳をする店。
なんとも当たり障りの無いやり方を身につけたもんだなーと思った。



今日はレミオロメンの"桜"がいい感じです。
なかなか日記らしい日記だなー。