長編

8月29日
今日は至って穏やかな一日だった。10時ごろに起き、だらだらと支度をし、ほとんど何も口にせず外へ。
昨日と違う道を歩き、Track(散歩道のようなもの)を見つけたら歩く。思わず隣町に行き、かばんに入れておいたポテトチップを食べ、海を見てぼーっとする。ポテチを狙ったカモメがうるさくなってきたころにまた歩き出し、元の街のコンビニで念願のFish&Chips(白身魚のフライとポテトフライ。日本でいう肉まんと位置づけが似てる)を食べるがひどく油っこい。胃もたれを予感した。けど食べたいものが食べられたから満足。
そして途中でおじいさんにいきなり「どこの国のもんだ?中国?韓国?」といったことを聞かれ、「Japan,Japan」と言ったがなんか釈然としない感じだった。そのおじいさんはお墓の掃除をしていた。暇だったし手伝いをした方がよかった、と今は思う。
本当に歩きつくして(3人のTrackerと一匹の猫と会った)4時半頃BBHに戻る。おばあちゃんが「今日見なかったわね」といったので「ぶらぶらしてた」といい、本棚にあった赤川次郎の「ゴールドマイク」という本を一時間くらい読む。夕飯の時間になったのでスーパーにインスタントとコーラとポテチを買いに行って6時すぎにインスタントを食べる。おばあちゃんとまた何日くらいいるのか、どこにいたのか、明日はどこに行くのか、といった話をする。なんとかできて嬉しかった。そして本をまた1時間ぐらい読んで外に出ると晴れていたので昼のうちに見つけておいた高台に借りた自転車で向かった。南は地平辺りが雲が残っていたものの、きれいに見えており、多分南十字星も見えたと思う。星みたいな人に解析されたものの正解を探すのはめんどくさいので星があった、それだけでいいことにした。そして戻り、ポテチとコーラを飲みながら本のクライマックスを読んだ。内容は好きではなかったがすらすら読めてよかった。そして明日の準備をし(風呂に朝入ってさっぱりすることにする)今寝ようとしている。
よく考えれば、というか普通に自分は日本でもこんな生活ができるのだが旅先でこうやって過ごしたかった、気がする。気がする、というのはこんな過ごし方で後悔しなかったから言っているというだけだが。
NZLは本当に時の流れがゆっくりだ。特にティアナウやカイコウラはびっくりする。東京が滝、地元が日本の川だとするとNZLは氷河。一日5mくらい。そんな速さに何も考えずに乗っかる、というのは非常に心休まった。
また、何も課せられていない、というのも心がほぐれる原因になったのかもしれない。過充電には気をつけないといけないが。
そんなことを話して納得してくれる人が何人いるんだろうか。やっぱり自費で行ってよかった。どんなに無駄に思えることでも自費なら文句を言われないで済むし。
明日クライストチャーチに戻り、ネットで学校の事務確認をし、スーパーでお土産を買い、次の日の朝に空港に行って自分の旅行は終了となるだろう。
これでよかったのか?と思うこともあるが旅行って何をするために行くんだろうか。英語の練習?なれない環境への適応?自分は違う。変なとこに行って「すげーっ」って言えばOKだったんだ。だから満足してるっちゃぁ満足してる。
1つの反省点といえばもっと料理したかったな。って言ってもまだ旅行は終わってないし、明日も早いし、もうねよ。
明日おばあちゃんにお礼言おう。