鶏の正当化

僕の大まかな解説。
僕は嫌われるのが怖くて無口でまじめでニコニコとする。
嫌なことがあっても許容量ギリギリまではがんばって許容量をオーバーすると影で「ちっ」とか言うタイプ。
取り柄といえば教えられたことの飲み込みがまぁ早いぐらい。
人見知りの童貞を遊び人たちの中に放り込んだ図を想像したら七割がた僕になる。人間失格ですごくびっくりする。


誤解を生むことを恐れずに言うと、こんな僕でも気に入ってくれる人がいる。
いじったり、普通に話してくれたり、色々あるけどまぁ気に入ってくれる。
自信のなさがかわいい、あんまり動かないのが落ち着いてる、とか勝手によく取ってくれているのだと解釈してる。
正直勘違いしててイライラすることもある。けど嫌われるよりましだしヘラヘラしてる。


それが男性だったらいい。素を出しながらやり続けることもできるし、そうでなければあまり深い付き合いはしないし。
しかし女性だったら困る。
僕のことをよく知らなくて近づいてきたら
あんたは何にも知らないけど俺はもっと黒いんだぜ?近づくなよ。
なんて中二病的なスタンスになる。
それならまだいい。空気を読んで回避できる。
僕のことをある程度知ってる人だったら
え?なんで俺の悪いとこ知ってんのにこっちくんの?罰ゲーム?とものすごい勢いでヒヨる。
中二病とチキンは同じなんだと無駄に納得できる。
友達ならまだいい。
だけど付き合うとなったらもうわけが分からない。動物園で象は見たいけど飼いたいとは思わないでしょ?なんで飼おうとしてんの?みたいな。
そんなこんなで僕は好意を示された時点で必死に「別に大した好意ではない」可能性を必死になって列挙して気持ちを落ち着かせる。
万が一直接伝えられたときは阿鼻叫喚。
そんな近づいてもいいことないよ!と半泣きになったりして。
だけどしばらく考えた後で相手の勇気はいかほどのものであったかを推察しようとしてスカウターがぶっ壊れて僕は敬意にも似た好意を相手に持ってしまう。
どこにも褒められる要素がないのは分かってる。
だけどどうすればいいか分かんないんだ。
ボーイと仲直りして、僕のことを知っているくせに好意を示してくれる人の話をするとボーイはなんで逃げるのか分からないと言った。
そして僕の「別に大した好意ではない」可能性たちを「僕だったらそれを示すことができるのか」という一言で木っ端微塵にして。
それでも僕は仕方ないじゃないかといいたい。
それが私の鶏道。